ご挨拶

小林 和人

小林 和人

第46回日本神経科学大会 大会長

(福島県立医科大学 医学部 生体機能研究部門)


第46回日本神経科学大会は、2023年8月1日(火)―4日(金)に仙台国際センターにおいて開催されます。第46回大会は、1997年の第20回大会以来26年ぶりの東北地方での開催であり、折しも本大会の直後から、仙台では七夕祭が開かれます。この間、2011年に東日本大震災、2019年の末頃からは新型コロナウイルス感染症の拡大により、全世界的なパンデミックが起こり、いまなおその影響が続いています。

このように激動する社会の中でも、日本の神経科学は着実な進歩を遂げてきました。たとえば、神経発生・再生の分子機構、神経伝達・可塑性の分子基盤、神経回路の構造と機能、高次脳機能の神経基盤、神経・精神疾患の病態解明などについて顕著な発展があり、これらを支える多点同時記録や多様なイメージング技術、ウィルスベクターやゲノム編集による遺伝子改変技術、多能性幹細胞の利用など、飛躍的な技術革新がありました。さらに、ゲノム科学や数理モデルの活用、工学系やAI、人文科学との融合など、多くの研究分野との連携が進んでいます。いまや神経科学は、複数の研究分野を組み合わせなければ新しい発見に結び付かない総合科学へと発展してきているといえます。今後も、急速な発展が予測される神経科究分野において、他分野と連携しながら、独自の研究を伸ばすとともに、新しい研究分野に挑戦し、分野の創成や変革につなげる必要性が益々高まっています。

本大会では、仙台七夕祭にあやかり、「銀河に輝く神経科学」の標題のもと、今後とも神経科学の分野から、銀河に輝く多数の恒星のように多くの輝かしい研究成果が生まれることを祈るとともに、その成果につなげるために有益な活動を展開したいと考えています。仙台の地で、国内および国際的な情報収集や人材交流、国際連携、基礎と臨床研究の連携も含めた異分野間連携、ダイバーシティーを考慮した多様な研究者の活動支援、若手研究者の育成、研究成果の社会への還元などの活動を促進するための努力をしたいと考えています。

また、本大会は大震災から12年にあたり、災害時あるいはその後の精神のケアという課題がクローズアップされ、さまざまな研究が進んでいます。学会のアウトリーチ活動のひとつとして、「東日本大震災からの復興と将来への展望:神経科学による心理的ストレスの理解とメンタルヘルス・ケア」というテーマで、市民公開講座の開催も予定しています。

開催方法については、開催期間近くの新型コロナ感染症の状況によりますが、基本的にオンサイトとオンライン方式を組み合わせたハイブリッド開催を予定しています。両者の方式のバランスは、感染症の状況を見ながら適切に判断したいと考えています。

仙台に多くの皆様にお越しいただき、大会サイトにもたくさんの方のご参加があることを願っております。